2009年に結婚。激動の一年でした。2010年もいい年になりますように。
by rick-rack
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回文ワールド
(左)「またたび浴びたタマ」 村上春樹著・猫沢ミミヨ画 2000年・文芸春秋
(右)「回文の国へようこそ」 坂崎千春著 2003年・中公文庫
回文とは、上から読んでも下から読んでも同じように読める文のこと。
簡単な単語では、「しんぶんし」「トマト」などが思い浮かびますが、
この2冊に掲載されている言葉は、もっともっと長い文ばかり。
さすが、言葉を職業にしているひとは発想が違うなぁ~、と、素直に思います。
・「またたび浴びたタマ」
思えば、村上春樹さんの本を新刊平積みで購入した、初めての本でした。
もっとも「村上春樹」の名前で購入したわけではなく、回文集という珍しいジャンルと
ネコのイラストに惹かれたのがきっかけでしたが・・・。
(これまでの村上春樹作品とわたしの関わり方は、作家名よりも
内容に惹かれて購入、という形が多かったのです。「アンダーグラウンド」しかり)
内容は、50音全部(44個)から始まる回文と、それにまつわるショートストーリー、
そして一つ一つに猫沢ミミヨさんの楽しい(でもちょっと品はないかも・・・)イラストが
カラーでついています。結構豪華な印象。
回文も、さすが村上さん、といったかんじのものが多いのですが、
いかんせん、表紙のネコのほのぼのさからは想像もできない
アダルト向けな内容が多いので(そんなにきわどいわけではないけれど、
子供さんにはおススメしたくない、というか一緒に読む勇気はないな、わたしは)
ある程度大人なお年頃になってから読むほうがいいかもしれませんね・・・。
そんな中で、個人的に好きな作品5つ。
「そうよ、私したわよ・・・。嘘」(そうよわたししたわようそ)
「天狗の軍手」(てんぐのぐんて)
「値段、足したんだね」(ねだんたしたんだね)
「またたび浴びたタマ」(またたびあびたたま)
「ヨーダの留守にするのだよ」(よだのるすにするのだよ)
・「回文の国へようこそ」
著者の坂崎千春さんは、JR東日本のICカードキャラクターの
Suicaペンギンの産みの親である、イラストレーター&作家さんです。
彼女の描く世界が好きで著書を集めているうちに、この本に出会いました。
こちらも自作の回文&イラスト集。
内容は「動物界」編と「人間界」編に分かれており、
特に動物界編はほのぼのしていて癒されます。
が・・・。人間界編については、それほどどぎつくはなくても、
ちょっとダークな内容のものも紛れており・・・。
村上さんの上の作品集もそうですが、回文を作ろうとすると
どうしてもダークな内容に近づいてしまうものなのでしょうか・・・?
とはいえ、坂崎さんのイラストがほのぼの系であることには
変わりないので、なんとなくさらりと読んでしまうのですけれどね。
こちらの本の作品でお気に入りの回文は、以下の6つです。
「いかした司会」(いかしたしかい)
「世の回文、全部イカのよ」(よのかいぶんぜんぶいかのよ)
「やい、しごくから、覚悟しいや」(やいしごくからかくごしいや)
「いい、ばれても。もてればいい」(いいばれてももてればいい)
「わたしさ・・・。トラ、いらいらと刺したわ」(わたしさとらいらいらとさしたわ)
「夜、まるく、くるまるよ」(よるまるくくるまるよ)
自分でもこんなの作れたら楽しそう~と思うのですが、
頭の固いわたしには、ハードルが高いな~。
by rick-rack
| 2006-04-16 18:27
| 読書
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